家が海に近いこともあり、よく釣りに出かけます。
道具は大事に使うほうなのですが、リールのメンテナンスは数回使用後に簡単なこををするだけです。
水洗いしてオイルをさしてグリスを塗って終わり。
たったこれだけで、ラインローラーが固着して動かなくなったりするのも防げていました。
しかし、とうとうリール本体から異音するようになってしまいました。
そのリールは、『08 バイオマスター C2000S』
もう12年前のリールです。すでに1,000回は使ってるであろう愛着のあるリールです。
中の部品はボロボロのはずです。
当然ながら古過ぎるため、メーカーのシマノでは修理やオーバーホールを受け付けていません。
部品もありません。
そこで、自分で分解し洗浄後にグリスやオイルを塗ってなおるか試すことにしました。
初めてのリール分解。
少々不安だったのですが、なおれば儲けものという気持ちでやりました。
もしなおらなくても、リール分解の練習にはなるでしょう。
08バイオマスターC2000Sの分解
写真は初めて分解した数日後。再び分解した時に撮ったものです。
初めて分解する時は、かなり酷い状況を予想していたのですが、下の写真と変わらないぐらいキレイでびっくりしました。
なぜ初めての日に撮らなかったかというと、余裕が無かったからです。
リール分解図を見ながらバラしていきます。
フタを開けるところまで
スプールをはずす
ドラグつまみを完全にゆるめ、スプールごと上に持ち上げてはずす。
スプール座金とスプール受けをはずす
スプール軸に刺さってる黒くて丸いのがスプール座金です。
複数枚刺さっているので、1枚ずつ軸から抜き取ります。
歯車のようなものがスプール受けです。
これも軸から抜き取ります。
このリールには、スプール座金が3枚入っていました。
ローターをはずす
※ローターをはずす前に、ハンドルを取り外すか完全にゆるめておきます。ローターが無い状態ではハンドルをゆるめることができません。
次に軸からはずすのはローターです。分解図では「回転枠」と書かれています。
金色のナットをはずすことで、ローターを上に抜き取ることができます。
ナットは六角レンチを使ってはずすのですが、ローターの形状で段差があります。そのため、まっすぐの六角レンチは使えません。
段差を乗り越えられるよう、柄が曲がっている「オフセット」のものを使います。
もしくは、リール専用工具を使います。
ペンチなどでゆるめるのは絶対ダメです。写真のナットに傷がありますが、ペンチが滑ってやってしまいました。最終的にモンキーレンチを使ったのですが、これもおすすめしません。
ローラークラッチをはずす
黒いのがローラークラッチです。
大きいボルト3本をゆるめることで取り外せます。
小さいボルト2本はローラークラッチのフタを止めているものです。間違えないようにしましょう。
フリクションリングをはずす
ゴムでできた青いリングがフリクションリング。ベールを起こして投げる時に、ベールが勝手に回らないようにするための部品です。
白い樹脂パーツで押さえつけて止められています。ボルト1本ゆるめることで、樹脂パーツとフリクションリングをはずすことができます。
さすがにフリクションリングがくたびれて伸びて持ち上がっていました。
ピニオンギヤをはずす
スプール軸の部分に見える金色の部品がピニオンギヤです。
手でゆっくり引き抜くと回転枠リング、ボールベアリングと一緒に出てきます。
左から、回転枠リング、ボールベアリング、ピニオンギヤ。
本体ガードをはずす
本体底部のボルト1本をゆるめて、本体ガードをはずす。
脚付きフタをはずす
本体左側のボルト3本をゆるめます。
ボルトは1本だけ長さが違います。どこに使われていたか覚えておきましょう。
部品が落ちないよう、リール右側を下にして脚付きフタを開けます。
本体の中を見てみる
マスターギヤをはずした状態です。
ボディの底部に本体ガードのボルトを止めるためのナットがあります。これは溝に差し込まれているだけなので、落として紛失しないよう気をつける必要があります。
数日前にきれいにしてグリスを塗っていたのですが、もう真っ黒。
ここまでで取りはずした部品
取りはずした部品は、順番に並べて置いておくと、組み立てる時間違うことはありません。
中の部品の取り外し
ここからの作業は初回分解時にやっただけなので写真はありません。取りはずした順番は下の通りです。
- ストッパー
- クロスギヤ軸カバー
- ウォームシャフト
- 摺動子ガイド
- スプール軸
- クロスギヤ用ギヤ
- 摺動子分解
初めてリールを分解した感想
- ドライバーは良い物を使おう
- 六角レンチを使おう
- 何となく仕組みが分かった気がする
- ギヤはかなりすり減ってる感じがした
- 分解より組み立て時の芯出しに時間がかかる
工具に関しては、「安物のドライバーはなめやすいので良い物を使ったほうがいい。六角レンチは安物でいいので使おう。」という感想です。
最近のリールと比べると、部品数が少なく簡単な機種だとは思いますが、いい練習になったと思います。
結局なおったのか?
分解と洗浄だけではなおりませんでした。でも、追加作業をすることで普通に使う分には問題ないレベルにはなりました。そして今も使っています。