クーラントとは、エンジンを冷やすという大切な役割のある液体です。
エンジン冷却水・LLC(ロングライフクーラント)・ラジエーター液などとも呼ばれます。
普通の水と違い、凍結やサビに強いように作られています。
このクーラントは、適期的に交換する必要があります。
長期間交換しないでいると、サビが発生してクーラントの通り道をふさぎ、エンジンのオーバーヒートを引き起こす可能性があります。
どうやら、家にあるトラクターは3年近く交換していないようです。
車なら、ディーラー、カー用品店、ガソリンスタンドに持ち込めば交換してくれます。
でも、トラクターの持ち込みはさすがにできません。
そこで、トラクターのクーラント交換に初めて挑戦してみました。
取扱説明書でクーラント交換のやり方を確認
まずは、取扱説明書で交換方法などを確認します。
クーラントに関して取扱説明書で確認できたのは、下の3つです。
◯ 交換サイクル
1年に1回交換
◯ 必要な容量
5.5L
◯ 交換方法
(書かれている数値や内容は、トラクターの機種ごとに違う可能性があるので、それぞれの型式の取扱説明書で確認しましょう。)
取扱説明書が手元に無い場合
家のトラクターは家族が管理していたので、取扱説明書が見当たりませんでした。
そんな時は、メーカーのウェブサイトで検索。
1. トラクターの型式を確認
車体に大きく表示されていました。
ISEKI TU175
2. 取扱説明書の検索ページへ移動
ISEKIのウェブサイト>お客様サポート>カタログ・取扱説明書・価格表>同意する
3. 検索
機種 トラクタ
型式 TU175
各欄の項目選択・記入後、検索。
4. 取扱説明書ファイルの保存
PDFファイルをブラウザで表示後、名前を付けて保存。
必要なもの
◯ クーラント
カー用品店で水で薄めて使用するタイプを購入。
◯ オイルジョッキ
カー用品店で購入。
無くてもいいけど、クーラントと水合わせてちゃんと5.5L入るのか確認のため購入。
◯ 廃油処理ボックス
カー用品店で購入。
クーラントは有毒のため、そのまま流したり川や海に捨てるのはダメです。
捨て方としては次のような方法があります。
-
- 自治体に捨て方を確認後、廃油処理ボックスや凝固剤を使ってゴミとして出す。
- 引き取ってもらえるガソリンスタンドがあればお願いする。
ただし、回収しない自治体があったり、引き取ってもらえないガソリンスタンドがあるので事前の確認が必要です。
◯ スパナ・レンチ
家のトラクターの場合、クーラントを排出するためにボルトをゆるめる必要があります。
トラクターのクーラント交換作業
取扱説明書には次のようなことが書かれています。
十分注意して作業する必要があります。
作業手順
1. ドレンコックを開ける
排出口に廃油処理ボックスをセットし、クーラント排出ボルトをレンチで緩める。
取扱説明書には「ドレンコックを開ける」とありましたが、ボルトでした。てっきりレバーのような物だと思い込んでいました。
上の写真のクーラントの跡(青サビ?)の付いたボルトです。
ボルトを緩めると、ジョボジョボとクーラントが排出され始めます。
色はくすんだ薄い緑色、少し茶色が混じってるような気がする。
2. ラジエーターキャップを開ける
ラジエーターキャップを開けると、勢いよく排出されます。
クーラントの跡なのか青サビなのか、とにかく酷いですね。この後ゴシゴシこすったのですが取りきれませんでした。今度時間を取ってきれいにしようと思います。
3. 水道水でラジエーター内部をよく洗浄する
クーラントが抜けきったらラジエーターの洗浄です。
ラジエーター洗浄剤というものもあるのですが、今回は水道水だけで中を洗います。
ホースの先のシャワーヘッドをストレートに合わせ、ラジエーターキャップを外した投入口にシャワーヘッドを軽く押し付け水を出します。
少し水圧をかけて押し出すイメージです。あまり強い圧をかけると、ラジエーターホースが抜けたり破損する可能性もあるので加減が必要です。
この作業で出てきた水を見てビックリ。
泥水のように茶色くにごった水がドボドボ排出されてきます。
内部はかなりサビているようです。
とにかく、出てくる水が透明になるまで水を入れたり出したり洗浄を繰り返します。
洗浄作業だけで50分ほどかかりました…。
4. ドレンコックを閉じて冷却水を給水
クーラント排出ボルトをレンチでしめる。しめすぎると破損するので注意。
投入口からクーラントと水を入れていきます。
水1L + クーラント2L + 水2.5L
これで希釈割合約36%になります。水を2回に分けて入れた理由は、そのほうがよく混ざりそうだと思ったからです。
5. ラジエーターキャップを開けたまま5分ほどアイドリング
エア抜きという作業です。
クーラントと水を入れただけの状態では、中に空気がたまっていることがあります。ラジエーターキャップを開けたままアイドリングすることで、クーラントの循環が始まり投入口にボコッと泡が出てきます。
中の空気が出たら、そのぶん水位は下がります。水を口元まで継ぎ足します。
6. ラジエーターキャップをしめる
ラジエーターキャップをしめて作業は完了です。
使用後のチェック
クーラント交換は特に難しいことはなく、洗浄作業に時間を取られたこと以外は順調に終わりました。作業終了後、まだ時間があったのでトラクターを使ってみました。
水温計に異常はなく、使用後少し冷えてからラジエーターキャップをあけ水位の確認もしましたが問題ありませんでした。
これでしばらくは安心して使用できそうです。
ただ、サビが酷かったのでどれだけダメージを受けてるのか心配ではあります。
とにかく、1年に1回のクーラント交換を続けていくことですね。